抄録
10歳女児,軟骨形成不全,歯の欠如,爪の萎縮・変形,手指多指症,僧帽弁亀裂・左上大静脈を件う単心房の1例に僧帽弁修復術+心房中隔形成術を施行したが,術後溶血性貧血が著明となり,第42病日に弁置換術を施行した.EIIis Creved症候群の心疾患に対する外科治療は少なく,本報告が内外の文献で4例目であった.従来,本症候群に合併する心痴憲は心室中隔欠損症が多いとされていたが,本邦18例中,診断の確定した7例は全例単心房で,また臨床的にも単心房と考えられる例が多い.本症候群の予後を決定するのは心疾患である慕より,発見時より積極的に心疾患の管理を要する.