心臓
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症例 免疫異常を伴った原発性肺高血圧症の1剖検例
河合 貞水松本 修一杉浦 允彦高沢 昭典鳥海 純小川 宏一佐竹 辰夫
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1979 年 11 巻 7 号 p. 729-734

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抄録
症例は21歳の女性.15歳ごろより労作後全身倦怠感を覚え,昭和52年6月ごろより労作時呼吸困難全身倦怠感が出現したため当科受診.III LSB中心に収縮期雑音,胸部X線写真上左第II弓突出を認め,精査のため入院.入院後の検査にて肺機能はほぼ正常,胸部X線写真にて左第II弓の突出,肺動脈主幹部の拡大と末梢肺血管陰影の細少化,明るい肺野を認めた.心電図は右軸偏位と右室負荷の所見を呈した.このため心臓カテーテル検査を行い,肺動脈圧75/40(平均50)mmHgと高値を示した.また白血球減少,血小板減少,血沈充進,RA(+),CRP(+),抗血小板抗体(+),抗核抗体(±),抗DNA抗体(十)といった自己免疫異常を示唆する所見を呈した最近原発性肺高血圧症と膠原病との関連性が注目されており,文献的考察を加え,報告した.
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