心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
臨床 Sick sinus syndromeに対する心臓ペースメーカー療法
徐脈性Sick sinus syndromeと徐脈頻脈症候群における心室ペーシングの比較検討
小林 亨筆本 由幸広部 一彦吉野 孝司藤本 淳若杉 茂俊戸山 靖一
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 11 巻 9 号 p. 942-946

詳細
抄録

心室ベーシングを行ったsick sinus syndrome 18例をI群 - 徐脈性 SSS(8例)とII群一徐脈頻脈症候群(10例)に分け,心臓ペースメーカー植込み前後の臨床縁や植込み後の合併症について比較検討した.櫃込み後の死亡は両群共各1例であり,死因はいずれも脳梗塞であった.生存例ではI,II群とも失神発作や眩盤は消失し,ほとんどの症例が NYHA 機能分類の正度にあった.懸群ではfcllow up 期間中に 8例が心房細動による頻拍発作を起こした. また, II群では脳梗塞,腎梗塞,下肢動脈塞栓, 一過性脳虚血発作などの systemic embolism を合併する場合が多く,心臓ペースメーカー植込み前に 2例,植込み後に4例で認められた. II群では心臓ペースメーカー植込み後も頻拍発作の抑制と抗凝固療法が必要と考えられた.

著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top