心臓
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臨床 右室2腔症
小林 淳剛川村 光世宮田 義弥南川 紀横地 浩史牧 葆雄安田 敬志水川 豊榊原 欣作
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1979 年 11 巻 9 号 p. 952-958

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抄録
TCRVは進行性疾患であり,右室負荷(特に心室申隔欠損症)と非常に強い関連性があり,右室負荷発生後に,二次的に右室内肉柱が異常に発達し,右室内に2腔を形成するようになったものであると考える.さらにVSD合併例はVSD自然閉鎖の1つの型であり,これには2つの方向が考えられる.1つはVSD自然閉鎖とともに異常肉柱が消失する方向であり,もう1つの方向は,VSD自然閉鎖以前に異常肉柱が過度に肥大し,異常肉柱そのものが右室負荷となり,さらに進行する方向である.このようにTCRV+VSDはVSDの自然閉鎖と異常肉柱の肥大との釣り合いの上に存在する多様な血行動態を示す1群の心疾患と考え,自験例22例について検討し,文献的考察を加えたので報告する.
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