抄録
左房粘液腫摘出後residual intracardiac shunt をみとめた症例を経験した.
症例は54歳女性,体位により変動する僧帽弁狭窄症様雑音により左房粘液腫を疑われ,M-mode心エコー図により左房粘液腫と診断し,心断層図により腫瘍の形態を正確に把握できた.踵瘍は付着部の心房中隔組織とともに摘出した.
術後,residual intracardiac shunt が疑われcotyastecho 法にて確認できた.
今日,左房粘液腫の摘出には再発を防ぐため心房中隔織合併切除が推奨されており,今後本例のようなresidualintracardiac shunt が術後発見される可能性があり,その検出にはcontrast echo 法が有用と思われる.