心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
研究 冠動脈造影法からみた冠動脈硬化に及ぼすrisk factorの影響
多変量解析による分析
日浅 芳一野坂 秀行伊藤 幸義高地 恭二加藤 達治小形 善樹服部 隆一西村 健司延吉 正清上松 弘明
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 13 巻 6 号 p. 679-687

詳細
抄録
冠動脈造影を施行した674例につき,risk factorの冠動脈硬化に及ぼす影響について多変量解析を用いて分析した.全例についての検討では,年齢,総コレステロール,高血圧がriskとして高い値を示した.年代別の検討では,若年者はrisk factorの関与が小であった.中年者では高血圧が,老年者では総コレステロールがriskとして大であった.114例の陳旧性心筋梗塞症例全例の検討では,年齢,性,高血圧がriskとして大であった.このうち中年者は喫煙が,老年者は総コレステロールが強いriskであった.これらrisk factorの有意な狭窄分枝数に及ぼす影響は,冠動脈硬化スコアのそれに比し小であった.
risk factorの数が増大するに従い,冠動脈硬化の程度は増加した.年代が大になるに従い,多枝疾患の占める割合がやや多くなる傾向にあったが,基本的には1枝疾患の占める頻度が大であった.
著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top