心臓
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研究 うっ血型心筋症
家族調査とHLA分析について
岸本 千晴鏑木 恒男高山 真一鷹津 良樹横山 正一冨元 一彦細野 文寿
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1981 年 13 巻 7 号 p. 775-780

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抄録
うっ血型心筋症発症に関する遺伝学的要因の関与を明らかにすべく,診断の確定した5例を対象に,臨床諸検査とHLA systemを用い3世代にわたる家族調査を行った.患者は心臓カテーテル法にて診断された4例および剖検にて確定した1例,合計5例で,男4人,女1人,年齢は42歳から48歳までである.3世代にわたる家族調査には, 問診, 身体所見, 胸部X 線写真, 心電図, 心エコー図を用い,HLA検出はmicrodroplet lymphocytecytotoxicity testで,A抗原13種類,B抗原25種類のタイピングを行った. その結果, 本症に特有なHLA -A,B抗原の出現はみなかった.家族発症は,5家系中1家系にみられた.HLA分析を用いた家族調査より,発端者とHLA-A,B haplotype identicalな関係にある家族構成員にも本症の発症はなく,少なくとも本調査においてはHLA-A,B haplotypeとうっ血型発症との関連性は認められなかった.
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