心臓
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臨床 Ear-lobe Creaseの意義について
澁谷 利雄水野 杏一菅原 博子荒川 宏里村 公生五十嶋 一成大鈴 文孝青崎 登栗田 明細野 清士山田 堯
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1983 年 15 巻 5 号 p. 557-562

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抄録

Ear-lobe crease(EC)に関してこれまでにいくつかの報告があるが,詳細なものは少なく,その有用性については議論のあるところである.著者らは,ECの臨床診断学的意義について検討を行った.
冠動脈造影で確かめられた冠動脈疾患(CAD)を有する患者82例とCADのない65例を対象に,ECとCAD,冠危険因子および眼底の動脈硬化性変化の関連性について調べた.
ECはCAD,男性,喫煙歴と有意の関連があり,かつ加齢とともにECの陽性率が増加する傾向があった.ECとCADの関連をより明確にするため,EC陽性群とEC陰性群の間で性と年齢のm atchingを行い, 再び検討したところ,ECはCADのみと有意の関連があった.よって,ECはCADの有無を予測するのに有用なsignであると思われた.

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