心臓
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症例 肥大型心筋症と右冠状動脈起始異常とが合併した1症例
本田 俊雄風谷 幸男大門 史佳越智 隆明浜田 希臣伊藤 武俊吉田 紀子水野 裕雄国府 達郎
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1984 年 16 巻 1 号 p. 79-84

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抄録

右主冠状動脈起始異常は比較的稀な疾患であるが, 近年, 心臓血管撮影および冠状動脈撮影法の普及により発見される機会が多くなっている. われわれは, 労作時呼吸困難, 胸部圧迫感, 眩暈を主症状とする肥大型心筋患者に右冠状動脈起始異常が合併している症例を経験した. 本例の右冠状動脈は左バルサルバ洞上縁より約 1.2cm上方の上行大動脈より起始していた. 本例に認められた起始異常はきわめて稀であり, 文献上, 他に1例をみるのみである. 肥大型心筋症と右冠状動脈起始異常との因果関係は今回の1例のみでは明らかにできない. 本例の症状は肥大型心筋症によるものと考えられたが, 右冠状動脈起始異常の影響も無視できないものと思われた.

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