心臓
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臨床 Unipolar VVI pacemakerにおけるmyopotential inhibitionの臨床評価
Holter心電図および誘発試験による検討
伊藤 宏新田 政男家坂 義人谷口 興一武内 重五郎
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1984 年 16 巻 12 号 p. 1247-1253

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抄録

筋電位によるover sensing,すなわちmyopotential inhibition(以下MPI)は,unipolarVVI pacemaker植込みの合併症として知られている.著者らはunipolar VVI pacemaker植込み患者26例に対し,24時間Holter心電図と大胸筋運動による誘発試験を行い,MPIの発生頻度を検討した.誘発試験は,(1)等尺性拝み運動,(2)植込み上肢の引き運動, (3)植込み上肢の押し運動, (4)歯みがき様律動運動,(5)手拍子様律動運動の5種類を行った.その結果,Holter心電図では12/22例(55%),誘発試験では14/20例(70%)にMPIの発現を認めた.日常生活ないしは,Holter心電図施行中にめまいなどの自覚症状を訴えたのは1例のみで,本症例は誘発試験においても,同様の症状が誘発された.以上,MPIは日常の動作において比較的高頻度に誘発され,その診断にはHolter心電図および誘発試験が有用である.

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