心臓
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臨床 心筋梗塞,肥大型心筋症におけるトレッドミル運動負荷,長時間心電図記録法による心室性不整脈出現の比較とその臨床的意義
山門 徹山本 伸仁大北 典史増田 岳一位田 正明東 良久長野 公昭笠井 篤信中野 赳
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1988 年 20 巻 12 号 p. 1419-1425

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抄録
臨床上不整脈が問題となる心筋梗塞(MI)59例,肥大型心筋症(HCM)41例を対象に,トレッドミル自覚的最大運動負荷法(TM),24時間ホルター心電図法(H)を施行し,心室性不整脈(VPC)出現の比較および心エコー図法,観血的方法との対比を行い,以下の所見を得た.(1)MI,HCMのVPC検出率は,ともにHがTMより有意に高率であった.(2)TMによるMIのVPCは運動によるST低下の有無,冠動脈病変数に関係せず,左室拡張末期圧高値(20mmHg以上)例で多かった.(3)Hによる重症不整脈出現は,MIでは左室機能低下例に,HCMでは心室内圧較差の認める例に多い傾向が認められた.以上,両疾患ともにVPCの検出はTHよりHで高いこと,両方法によるVPCの出現は主として左室機能とその異常に関係することが示された.
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