心臓
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症例 成人型家族性完全房室ブロックの1家系
伊藤 浩二山本 勝広葛城 充明中村 吉成友渕 佳明有田 幹雄上野 雄二西尾 一郎増山 善明
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1989 年 21 巻 7 号 p. 869-874

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抄録
成人型家族性完全房室ブロックは,我々が検索し得た限りでは,これまで本邦における8家系を含む23家系の報告しかなく,多くは3枝ブロックとされている.今回我々は,洞機能障害,心房粗動を合併する本症の1姉妹例を経験したので,HLA抗原型の検索を含めて報告する.発端者は38歳で,主訴は眼前暗黒感にて心房粗動,完全房室ブロック接合部補充調律を呈し,諸検査にて心に明らかな基礎疾患を認めなかった.電気生理学的検査ではA-H ブロックであり,永久ペースメーカーを植え込んだ.発端者の姉は43歳で,無症状であるが,心房粗動,完全房室ブロック,接合部補充調律を呈した.電気生理学的検査ではA-H ブロックと洞結節機能低下を認めたが,右室心筋生検では著変を認めなかった.さらに両症例を含む家系内に,第1度房室ブロック,洞性徐脈,突然死を認めた.HLA検査では,BW-39, CW-7, DRW-9の3抗原型が多く認められ,遺伝学的素因の関与が示唆された.
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