抄録
症例は57歳,男性.昭和52年,僧帽弁狭窄症で通院加療中,胸痛出現し某院に急性心筋梗塞として入院.昭和60年,4月心不全症状出現し当施設に紹介入院.心電図は頻拍型心房細動,心尖部で1音の軽度亢進・拡張期ランブルを認め,心エコー図検査で僧帽弁狭窄症と診断した.冠動脈造影検査で左バルサルバ洞より起始する単冠動脈症と診断した.全ての冠動脈に有意狭窄を認めず,201Tl心筋シンチでは後下壁領域に明らかな集積低下像を認めた.
単冠動脈症と心筋梗塞,あるいは僧帽弁狭窄症と心筋梗塞の合併は比較的まれであるが,本例はこれらの3つを合併したものであり,極めてまれと思われるので報告した.