心臓
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臨床 心室中隔欠損手術後肺高血圧の長期遠隔期予後
門間 和夫今井 康晴
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1993 年 25 巻 12 号 p. 1384-1390

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抄録

28例の肺高血圧を合併する心室中隔欠損の心内修復手術後に心臓カテーテル検査を行い手術後17年以上の遠隔期まで追跡した.28例中の18例に手術後肺動脈収縮期圧50mmHg以上の肺高血圧が残遺し,手術後1ないし15年で肺高血圧により9例が死亡した.残り19例中の1例は手術後19年で高度の肺高血圧と右心不全を残している.残り18例は手術後17年以上の遠隔期に肺高血圧の症状なく通常の生活をしていた.手術後の肺動脈収縮期圧と予後の関係は,手術終了時に40mmHg以下なら良好,45mmHg以上なら要注意,ないし不良,手術後2-4週時に60mmHg以下なら良好,70mmHg以上なら要注意,手術後1-5年に60mmHg以下なら良好,60-80mmHgなら要注意,80mmHg以上なら絶対に不良であった.手術前,および手術後のカテーテル検査における塩酸トラゾリン試験は手術後肺高血圧の予後判定にある程度有用であった.

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