心臓
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症例 川崎病に伴う僧帽弁逆流による急性左心不全1乳児例
安 永徹古賀 まゆみ吉井 英樹近藤 修
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1993 年 25 巻 12 号 p. 1429-1432

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抄録

生後40日の女児.発熱と発疹を主訴に,敗血症を疑い翌日入院,加療した.8病日の心エコー検査は異常なかったが13病日の心エコー検査で左右に4mm程度の冠動脈瘤と軽度の僧帽弁逆流を認め,川崎病と診断した.また発熱,発疹とCRPの上昇が再出現した.24病日に僧帽弁後尖の逸脱による高度の僧帽弁逆流が原因で急性左心不全症状を呈したため人工呼吸管理し,心不全に対する治療を行った.その後徐々に僧帽弁逆流の程度は軽減し,心不全症状は改善した.生後3カ月の冠動脈造影では異常を認めず,また僧帽弁逸脱はなかった.1歳時ではごく軽度の僧帽弁逆流を認めるのみである.

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