心臓
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臨床 一時的体外式VDDペーシングの試み
石川 眞一郎上村 隆元中島 玲内藤 政人名越 秀樹
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1995 年 27 巻 5 号 p. 417-420

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抄録

一本のリードでVDDペーシングが可能な植え込み型ペースメーカー(CCS,Maestro Model 305 SAVVI Palm Coast,FL,USA)を体外式に用いて,11例の房室ブロックに対して一時的体外式VDDペーシングを行った. 使用した電極カテーテルは,X線透視下で行う場合には6極電極カテーテル(USCI)または2本のバルーン付2極電極カテーテル(Arrow)を,緊急時にベッドサイドで行う場合はマルチパーパスカテーテルまたはAVペースポートカテーテル(Baxter)を使用し,いずれも鎖骨下静脈(7回)または大腿静脈(5回)穿刺法により挿入した.その結果,1例で体動による電極移動が原因で感知不全を生じたが,10例で最長240時間の一時的体外式VDDペーシングが施行できた.11例中5例ではペーシング開始時に心不全を併発していたが,VDDペーシング後は5例全例で平均約2日で軽快し,その改善にはこの方法による生理的ペーシングが特に有用であった.

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