心臓
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第10回心臓性急死研究会 院外心室細動蘇生例の検討
五十嵐 正樹小野 邦春伊藤 良明弘中 学大石 知実斉藤 徹上嶋 権兵衛正林 浩高岡野 善史宇野 成明森下 健
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1998 年 30 巻 Supplement4 号 p. 15-18

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抄録

1992年4月より5年間で現着時心室細動を確認した内因性の心肺停止例は121例で,うち33例(27.3%)が除細動に成功し,入院または転院となった.洞調律復帰後転院した7例を除き,当院救命救急センターに入室した26例(19-83歳)を対象とした.原因疾患としては急性心筋梗塞11例,冠攣縮性狭心症2例,虚血関連の不整脈2例であり,虚血による心室細動は計15例(58%)であった.心電図上Brugada型特発性心室細動と考えられたのは2例であった.生存退院したのは12例であったが,うち脳機能障害もなく社会復帰となったのは5例(4.4%)であった.現場除細動と脳機能障害の関係では現場除細動の成功が脳機能障害を残さずに社会復帰できた.以上より現場除細動が成功し入院する例は脳機能障害もなく社会復帰する.したがって,救命率の向上には救急現場での早急かつ適切な電気的除細動を含む心肺蘇生が肝要である.

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