心臓
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第10回心臓性急死研究会 先天性QT延長症候群における家系別の臨床像
河原 洋介沢山 俊民寒川 昌信鼠尾 祥三田中 淳二末綱 竜士神山 憲王
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1998 年 30 巻 Supplement4 号 p. 38-43

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抄録

【目的】先天性QT延長症候群(LQTs)の家系別臨床的特長を,左右交感神経バランスとECG所見を中心に検討した.【対象】家系A(突然死を有するハイリスク家系)3名,家系B2名,家系C3名のLQTs3家系で平均年齢19.4歳.【方法】左右交感神経バランスの指標としてT1とMIBG up takeの解離( D ) の有無, M I B G スペクト短軸像における前壁と後側壁の放射活性の比(A/L比)を求めた.またECGのT波形と失神時の状況を検討.【結果】(1)家系A(ハイリスク群)ではA/L比は0.79と低下.3例ともD(+)でECGのT波は類似.症状は全例運動時に出現し,運動時QTcは延長.(2)家系BではA/L比は正常で2例ともQT onsetの長い後方T波を有し,運動時QTcは短縮.2例とも安静時失神.(3)家系CではA/L比はO.92とやや低下.3例ともT波は類似し,運動時QTcは延長.【総括】LQTsにおいて,交感神経バランス,ECG波形,症状は家系別に特長を有することが示された.

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