抄録
TDI(tissue Doppler imaging)は,従来,血流速度測定に利用されてきたドップラー法を組織(主に心筋)の運動速度を測定するのに応用したもので,その利点は,1)左室の局所心筋の機能評価が可能であること,2)移動距離が短くてもその運動速度が測定可能であることの2点である.一方,TDIの欠点は,1)ドップラー法であるが故に真の速度を求めるには角度補正が必要であるが,その角度補正が困難であることと,2)心臓全体の運動の影響が計測された局所運動速度に及ぶことの2点である.
TDIの利点の活用法と,欠点の克服法について述べる.