1999 年 31 巻 7 号 p. 538-541
脂質介入試験等で冠動脈の経時的変化を造影法により評価する際に,冠動脈インターベンション施行枝の非標的部位をいかに取り扱うべきかを検討するために,POBAあるいはDCA施行例(各99例)を対象に,遠隔期造影所見を対比した.その結果,目視法でもPOBA群3病変(3%), DCA群8病変(7%)で非標的部位に新たに狭窄を生じていた.その組織像は再狭窄病変類似で,非狭窄部位でのバルーンやカッターの作動,あるいはガイドカテーテル操作等による内膜損傷後の組織反応と思われた.0.1mmの精度が要求される定量的冠動脈評価法で評価する場合には,かかる冠動脈インターベンション施行枝は,非標的病変といえども検討対象から除外すべきと考えられた.