心臓
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第11回心臓性急死研究会 長期アミオダロン服用中にQT時間延長を伴うTorsade de Pointesを生じた両大血管右室起始症術後の持続性心室頻拍例
中川 巌池主 雅臣藤田 聡畑田 勝治笠井 英裕田川 実鷲塚 隆相澤 義房
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1999 年 31 巻 Supplement4 号 p. 37-41

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抄録
アミオダロンは半減期が長いため,副作用が生じた場合は適切な対処が重要である.両大血管右室起始症術後の単形性持続性心室頻拍例で,アミオダロン長期内服中に生じた多形性心室頻拍に対する心室ペーシングとメキシレチンの効果を検討した.当科に紹介された時点でアミオダロン(200mg/日)が処方されており,心電図は洞徐脈(毎分37拍)で,QT時間は7 2 0 m s , Q T d i s p e r s i o n ( Q T d ) は2 0 0 m s延長していた.入院後のモニター記録で非持続性多形性心室頻拍が記録されたためにアミオダロンの減量とともに心室ペーシング(毎分70回)を施行した.ペーシング5分後にQT時間は最短(600ms)となり,QTdは80msに縮小した.ペーシングによるQT時間の短縮効果はペーシング中止後も数時間持続した.メキシレチン静注でもQT時間とQTdはほぼ同等に改善した.心室ペーシング・メキシレチンによるQT時間の短縮は入院時にQT時間が最も延長していた前胸部誘導で顕著であった.
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