心臓
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第33回志摩循環器カンファランス テーマ : 生体時計・既日リズムの基礎と臨床 中枢神経による概日リズムの組み立て
視交叉上核の役割を中心に
石田 直理雄
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2000 年 32 巻 12 号 p. 969-978

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抄録

概日リズム(サーカディアンリズム)という生物に内在する約24時間の周期現象が地球上のほぼ全ての生物に認められるのに対して,遺伝子レベルでのリズム発振メカニズムについては,種を越えた共通性が解明されていなかった.しかしながら,ここ2~3年の間に,我々を含む日米複数のグループで,それまでショウジョウバエにおける時計遺伝子として知られていたperiod遺伝子の哺乳類ホモログが単離された.これをきっかけに,哺乳類の概日リズム機構に関わっているであろう役者達が相次いで単離・同定され,それらの結果は,ショウジョウバエからヒトに至るまで,共通するフィードバックループ分子機構が存在していることを示唆するものであった.ごく最近,このフィードバックループ分子機構が中枢ばかりでなく末梢にも存在することが明らかとなり,ショウジョウバエと哺乳類での多様性についても解明されるに至った.これら最新の知見を筆者らのデータを中心に紹介する.

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