心臓
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第13回心臓性急死研究会 CPA例におけるニフェカラントの有効性の検討
網野 真理吉岡 公一郎田辺 晃久半田 俊之介中川 儀英加藤 洋隆馬上 喜裕本多 ゆみえ山本 五十年猪口 貞樹
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2001 年 33 巻 Supplement3 号 p. 84-89

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抄録

2000年4月~11月の間に当院救命救急センターに搬送された院外心肺停止例(CPA)連続121例中,心肺蘇生中に心室性頻拍症/心室細動(VT/Vf)が認められた7例に対しニフェカラントを使用しその効果について検討した.
内訳は虚血性心疾患5例,大動脈解離1例,溺水1例,男性6例,女性1例,平均年齢60歳.全例エピネフリン10-31mg投与後心拍再開が確認されたが,VT/Vfに対してリドカイン50-200mg静脈内投与および2回以上の直流通電(DC)は無効であった.ニフェカラント0.3mg/kg静注後のDCによりVT/Vfは停止し,引き続き0.4mg/kgによる持続投与を施行した.経過中,2例にVTの再発がみられたが5例では再発は認められなかった.しかし,7例中6例は徐拍化を呈し,1例は突然の心停止によりいずれも死亡した.
CPA症例におけるリドカイン抵抗性VT/Vfでは,ニフェカラント単回投与後のDCは全例で有効であった.しかし,持続投与を行うべきかに関しては今後の検討が必要と考えられた.

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