【目的】心室遅延電位(LP)の記録可能なHolter心電計を用いてLPが体位により変動することを健常者において確認したが,今回心疾患患者について検討.
【方法】OMIなどの心疾患患者12人を対象にEla Medical社製Holter心電計を装着し座位,仰臥位,左側臥位,右側臥位,腹臥位で記録.加算回数200回として,fQRS,RMS40,LAS40を計測.
【成績】1)同一対象同体位での計測値の幅はRMS40で4μV以内,LAS40で3msec以内,fQRSで2msec以内.2)各対象においての各体位による各計測値の最大値と最小値の差の平均はRMS40:20.1±18.1μV,LAS40:9.3±15.3msec,fQRS:3.8±2.0msec.差の最大値はそれぞれ63μV,56msec,7msec.
【結論】Holter心電計によるLPの変化を解釈する際,体位による影響を考慮する必要がある.
