心臓
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第20回 心臓性急死研究会 心室細動が認められた肥大型心筋症の2症例
小船 雅義渡辺 一郎芦野 園子奥村 恭男高木 康博山田 健史小船 達也大久保 公恵橋本 賢一進藤 敦史中井 俊子國本 聡平山 篤志
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2008 年 40 巻 Supplement3 号 p. 107-114

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抄録

症例1:68歳,女性.意識消失発作を起こし,家人が救急車を要請.救急隊到着時に心室細動(VF)を認め,電気的除細動にて蘇生され当院救命センターに搬送された.心エコー図上,心室中部中隔に著明な肥厚が認められた.冠動脈造影上,有意狭窄は認めず,左室造影では収縮期に左室中部の閉塞を認め,中部閉塞性肥厚性心筋症と診断した.心臓電気生理学的検査(EPS)では右室心尖部よりの3連早期刺激にてVFが誘発されたため,植込み型除細動器(ICD)の植え込みを施行した.
症例2:バスの中で意識消失し心肺停止となり,同乗者によるBLSにて心拍再開し当院救命センターに搬送された.心エコー図上,左室の著明な肥厚を認めた,冠動脈造影では有意狭窄は認められず,左室造影では左室心尖部と流出路間が収縮期に閉塞し,100mmHgの圧格差を認めた.EPSでは右室心尖部からの3連続刺激にてVFが誘発された.本症例はICDの同意が得られず,内服薬にて経過観察中である.

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