心臓
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第20回 心臓性急死研究会 有症候性Brugada症候群に合併した頻発する心室期外収縮に対しシロスタゾールが有効であった1例
常田 孝幸藤木 明坂本 有阪部 優夫菅生 昌高水牧 功一井上 博
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2008 年 40 巻 Supplement3 号 p. 42-47

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抄録

有症候性Brugada症候群に伴う頻発する心室性期外収縮(PVC)にシロスタゾールが奏効した1例を経験した.症例は50歳,男性,夕食後22時に意識消失発作があり近医に入院した.Brugada症候群による心室細動(VF)が原因と診断された.電気生理検査(EPS)でVFは誘発されなかったが心室遅延電位は陽性であり,植込み型除細動器(ICD)の適応と判断したが本人の同意が得られなかった.経過中に右室起源のPVCが増加し(9,507拍/日)動悸を認め再入院となった.ベプリジル200mg/日および硫酸キニジン300mg/日投与ではtype 1波形の有意な変化はなく, P V C 総数も減少しなかった. シロスタゾール200mg/日でもtype 1波形の変化は明らかではなかったが,PVCは著明に減少(105拍/日)した.経過中VF発作はなかったが,Brugada症候群に頻発する右室起源のPVCにシロスタゾールの有効性が確認された興味深い症例と考えられた.

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