心臓
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第20回 心臓性急死研究会 透析患者に生じたエレクトリカルストームに対して高頻度ペーシングとニフェカラントを併用し長時間の心肺蘇生術後に救命し得た1例
堺 勝之中村 彰田村 雄助
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2008 年 40 巻 Supplement3 号 p. 91-94

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抄録

症例は50歳,男性.ファンコニー症候群のため透析中であった.右肩鍵盤断裂のため当院の整形外科で関節鏡手術を受けた.術後16日目の透析中に心室細動(VF)を発症し自動体外式除細動器で徐細動した後ICUに収容した.ICU入室時は不穏状態であったため鎮静し,透析後でKが2.9mEq/Lと低値であったためKとMgを補充したが,エレクトリカルストームとなった.人工呼吸管理として約96分間心臓マッサージを行いながら,除細動を頻回に繰り返したがVFが持続した.ニフェカラント持続静注を行いさらに,右内頸静脈よりHR=150/分で高頻度ペーシングを行うことによりVFは抑制された.後に植込み型除細動器(ICD)の植え込み目的で転院となった.
透析患者に発生したエレクトリカルストームに対してニフェカラント静注と高頻度ペーシングの併用が有効であった症例を報告する.

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