心臓
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臨床 小児におけるsheathを用いた経皮的右心カテーテル法
柳沢 正義吉野 和也藤田 昌宏林 河宏福岡 和子石沢 瞭柳川 幸重兼次 邦男
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1974 年 6 巻 13 号 p. 1840-1845

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抄録
右心カテーテル,心血管造影検査の際,大腿静脈より.sheathを用いる経皮的カテーテル挿入法(Desilets-HoffmanPercutaneous Catheter Introducer使用)を試み,167回の検査中,143回(85.7%)に成功をみた.
対象は1-17歳に及んでいるが,4-9歳特に6-7歳で成功率が高く,体重でみると,15-24kgの症例で失敗が少なかった.挿入困難例,失敗例については,挿入までの各ステヅプのうち,血管穿刺でつまずく場合が多かった.経皮法の反覆は全く難易さに影響を与えなかった.sheathを用いた際の,血管内,心腔内におけるカテ操作は全く支障がなく,むしろ行ないやすかった.術中,術後の合併症として,特に問題となるものはなかった.同一血管で反覆検査ができること,皮膚切開しないため感染の危険が少なく,傷痕が残らないこと,カテ挿入が速やかなことが経皮法の利点であるが,sheathを用いる方法では,さらに従来の経皮法では使えない端孔のないカテ(NIHカテ,電極ヵテなど)も使用でき,かつカテの交換が非常に容易なことが特長である.
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