抄録
45歳女性で過去28年間にわたって徐脈・頻脈症候群を塁した患者・最近,徐脈のためAdams-Stokes症候を呈したり,頻脈のため心不全症状を呈するようになった.procainamide,propranolol,digitalisなどを使用したが無効であり,ときには抗不整脈剤の使用により心室粗動・shortrunをおこした.
この患者に対し,徐脈にはStarr-Edwardspacemakerを移植し,頻脈には高周波心房誘導型pacemakerを移植した.手術後満1年を経過した現在,心陰影は縮小し患者はほば正常な日常生活に復帰している,なお,憲者は頻脈発作回数を減少させるため,propranolol,digitalisの内服を続けている.