心臓
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臨床 心筋硬塞の経過と長期予後
高橋 宣光太田 昭夫渡辺 熈内田 英一新谷 冨士雄渡辺 坦傳 隆泰飯沼 宏之藤井 諄一鈴木 啓吾小山 晋太郎加藤 和三
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1974 年 6 巻 4 号 p. 499-510

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抄録
440例の心筋硬塞について経過・長期予後を検討し,次の結果を得た.再発は計65例(初回硬塞発症を確認した360例中54例)でみられ,発症後5,10年の再発率は20,37%であった.発症年齢の高いもの,女性,硬塞の広さが広範なもの,硬塞前に狭心症があったものおよび硬塞後狭心症の急性不安定期を呈したものに多くみられた.心不全は23%の例でおこり,高齢者,硬塞の広さが広範なもの,女性および再発後に多くみた.死亡は計115例(360例中92例)で・発症後5,10年の生存率は74, 45%.硬塞以前に狭心症を有したもの,硬塞の広さが広範なもの,硬塞後の狭心症が急性不安定期を有するときは予後不良.女性も不良高齢者ほど生存率は低下したが,硬塞の影響は発症年齢が若いほど大であった.死因の4分の3が心臓死で大部分が急死または初回硬塞・再発の急性期死亡であった.心不全死の多くは再発後のもので,初回硬塞急性期以降におこる心臓死の5分の1を占めた.
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