1975 年 7 巻 9 号 p. 1014-1022
新しいβ-Blocker Practdolの内服による各種不整脈に対する効果およびその血中濃度を比較,検討した.
対象は発生後6ヵ月以内の不整脈患者30名で,うちわけは上室性頻拍4例,上室性期外収縮9例,心房細動5例,除細動後洞調律を維持する目的で投与したもの7例(1例は心房細動群と重複),心室性期外収縮6例である.結果は上室性不整脈では9例(69%)に著効を示したが,心室性不整脈は1例(17%)にとどまった.
前者では血中濃度0.9μg/ml以上で有効であり,0.5μg/ml以下では無効であった.
後者では2.8μ9加Zの高値でも無効であった.心房細動の場合は20%に著効がみられたが2.6μg/mlの高値であった.しかし直流除細動後洞調律を維持する目的で使用する場合は5例(71%)でその目的を達し,その中には0.29μg/ml の低値のものも含まれていた.
以上からPractololは心拍抑制効果ことに上室性不整脈に対して有効である.