1975 年 7 巻 9 号 p. 1031-1041
Ebstein奇形6例を超音波心臓断層法(静止像,断層キモグラム)およびUCG法により検討した.
水平面断層図では巨大な三尖弁前尖,未発達な中隔尖,拡大した右室腔,強度な時計軸方向の回転を示す心室中隔,狭い左心腔,深在する心房中隔が記録できた.
縦断面断層図では巨大な三尖弁前尖およびその腱索が記録され,右室造影像とよい対応を示した.
UCGでは振幅の大きい三尖弁前尖,振幅の小さい中隔尖,厚みが小さく特微的な奇異性運動を示す心室中隔が記録された.
断層図とUCGの総合判断から三尖弁前尖UCGは弁尖付近で最大振幅および拡張期でのプラトーを示し,腱索寄りの部分では振幅を減じ,二,三峰性を示した.
心音図との同時記録により三尖弁前尖運動とSail Soundおよび拡張早期過剰心音との密接な関係が示唆された.