食品衛生学雑誌
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中規模搗精工程におけるコメ中カドミウム含有量の変化
守山 智章進藤 久美子田口 陽嗣渡邊 久芳安井 明美條 照雄
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2003 年 44 巻 3 号 p. 145-149

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抄録

流通している精白米の搗精工程におけるカドミウム(Cd)の動態を解明するため,小売店レベルの中規模精米機を使用して,原料玄米から精白米および糠を調製し,Cd濃度の変化を調べた.試料溶液は,硝酸-フッ化水素酸によりマイクロ波分解して調製し,ICP-MSにより測定した.Cd濃度は相対濃度で,原料玄米100に対し,精白米は97を示し,搗精工程による濃度の減少はわずかであった.また,その減少の程度は,従来の報告よりも小さかった.さらに,精白米を無洗米処理した試料についても調べたが,相対濃度で,精白米100に対し,無洗米は98を示し,無洗米工程においても濃度の減少はわずかであった.

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© 2003 公益社団法人 日本食品衛生学会
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