食品衛生学雑誌
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調査・資料
アセトニトリル抽出およびミニカラム精製を用いたGC/MS, GC-ECD, GC-FTD による農産物中残留農薬の多成分分析法
近藤 治美天川 映子佐藤 寛青柳 陽子安田 和男
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2003 年 44 巻 3 号 p. 161-167

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抄録

農産物中の有機塩素系,ピレスロイド系および含窒素系農薬計53成分について,アセトニトリルで抽出後,Sep-Pak C18およびENVI-Carb/LC-NH2で精製し,GC/MSおよびGC-ECD, GC-FTDにより測定する多成分分析法の検討を行った.こまつな,きゅうりなど9作物の添加回収試験を行ったところ,すべての作物で回収率 70~120% の範囲内であった成分は,GCでは47成分(89%)あったがGC/MSでは27成分(51%)であった.本法は,従来の方法に比べて短時間で簡便に少量の溶媒量で行うことができ,GC-FPDおよびHPLCを用いた前報と合わせて99成分の残留農薬の多成分分析法として有用であると考えられる.平成13年度に国内産農産物81試料の残留農薬実態調査を行った.21試料から延べ31農薬が検出された.

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© 2003 公益社団法人 日本食品衛生学会
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