2007 年 48 巻 4 号 p. 90-96
市販品としてのアーモンド粉末30点を対象に,カビ類とそこに含まれるアフラトキシン産生菌の分布状況につき調査した.希釈培養法でカビ汚染が認められる試料の菌数は1.0×10 CFU/g以下から8.5×103 CFU/gまで見られた.主な出現菌はAspergillus niger, A. flavus とその近縁菌,Penicillium, Cladosporium, Rhizopus であった.
分離菌株のアフラトキシン産生性をYES-TLC法で検索した結果,B1, B2を産生するA. flavus, A. parvisclerotigenus, B1, B2, G1, G2を産生するA. parasiticusおよびA. nomius の4菌種の多様なアフラトキシン産生菌を検出した.なお,これらの菌の同定には,形態的性状のほか,代謝産物の産生性を考慮して決定した.