食品衛生学雑誌
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LC-MS/MSによる畜水産食品中のクロメプロップおよびクロメプロップ酸分析法の開発
石井 里枝高橋 邦彦戸谷 和男根本 了松田 りえ子
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2012 年 53 巻 5 号 p. 217-224

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抄録
LC-MS/MSを用いた畜水産食品中のクロメプロップおよびその代謝物であるクロメプロップ酸の分析法を開発した.試料から塩酸酸性下,アセトン–n–ヘキサン混液で抽出し,アセトニトリル–n–ヘキサン分配による脱脂操作後,SAXミニカラムとPSAミニカラムで精製した.10食品(牛の筋肉,牛の脂肪,牛の肝臓,牛乳,ブリ,さけ,うなぎ,しじみ,鶏卵およびはちみつ(そば蜜))を用いて,残留基準値濃度もしくは一律基準値濃度(0.01 ppm)における添加回収試験を行った結果,真度はクロメプロップが81~97%,クロメプロップ酸が93~101%であった.併行精度はクロメプロップが2.1~14%,クロメプロップ酸が1.3~7.2%であった.また,本法による定量下限値はクロメプロップが0.002 mg/kg,クロメプロップ酸が0.00154 mg/kg(クロメプロップに換算すると0.002 mg/kg)であった.
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© 2012 公益社団法人 日本食品衛生学会
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