食品衛生学雑誌
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天然トラフグ肝臓の毒性分布
谷口 香織高尾 秀樹新名 真也山中 祐二岡田 幸長中島 梨花王 俊杰辰野 竜平阪倉 良孝高谷 智裕荒川 修野口 玉雄
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2013 年 54 巻 4 号 p. 277-281

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抄録

トラフグ肝臓につき,滑らかな面を表側,肝門脈との結合部を上部として10分割し,マウス毒性試験で各部位の毒力を測定したところ,生肝臓58個体中16個体と凍結肝臓13個体中9個体ですべての部位が毒性を示した.毒の主体はテトロドトキシンであった.これらにつき,個体の平均毒力に対する各部位の相対毒力を求めて二元配置分散分析を行ったところ,凍結肝臓では毒の分布に有意な偏りは見られなかったが,生肝臓では右側中央下寄りの毒性が有意に高いことが分かった.肝臓の毒性評価に際しては,本部位を用いた個別検査の実施が望ましいと判断した.

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© 2013 公益社団法人 日本食品衛生学会
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