2014 年 55 巻 6 号 p. 279-289
残留農薬一斉分析の前処理法としてQuEChERS法を適用し,その後C18ミニカラムおよびEnviCarbⅡ/PSAミニカラム等を用いて精製を行う方法で,「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」に従い妥当性評価を行った.測定に液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析計(株)島津製作所製LCMS-8030を用いることで,高感度の多成分一斉分析が可能になり,分析時間の大幅な短縮を実現した.8種類の青果物と玄米については302成分(269農薬),ウーロン茶については233成分(204農薬)の妥当性を評価した.その結果,青果物,玄米については234~259成分,ウーロン茶については151成分,ガイドラインの目標値を満たすことができた.