食品衛生学雑誌
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調査・資料
健康食品の利用が関連した被害通報の実態調査―消費者および医師・薬剤師を対象としたインターネット調査―
千葉 剛 小林 悦子佐藤 陽子井出 和希池谷 怜山田 浩梅垣 敬三
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2017 年 58 巻 5 号 p. 234-240

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抄録

健康食品の利用が原因と思われる健康被害の事例において,保健所を介して厚生労働省へ報告が上がってくるのは年間20件程度しかない.その原因を明らかにするために,消費者(調査1:44,649名,調査2:3,000名),医師・薬剤師(各500名)を対象にアンケート調査を実施した.2016年の一年間に健康食品の利用が原因と思われる体調不良を経験した消費者は17%いたが,保健所に連絡した人はそのうちの11%のみであった.保健所に連絡しなかった理由は「報告するほどの被害ではなかったから」が最も多かった.2016年の一年間に患者から健康食品の利用が原因と思われる健康被害の相談を受けたことがある医師は7%,薬剤師は4%であった.保健所に報告したのは医師,薬剤師ともに6%のみであった.保健所に報告しなかった理由は「健康食品が原因と断定できなかったから」が最も多かった.

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© 2017 公益社団法人 日本食品衛生学会
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