食品衛生学雑誌
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LC-MS/MSによる畜産物中のキンクロラックの分析法
竹脇 優太郎岡部 亮根本 了青栁 光敏
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2022 年 63 巻 5 号 p. 177-181

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抄録

畜産物中のキンクロラック分析法として,試料からキンクロラックをアセトン–塩酸(99 : 1)混液で抽出し,塩基性条件下酢酸エチルで洗浄した後,酸性条件下酢酸エチルで抽出し,LC-MS/MSで定量および確認する方法を開発した.開発した分析法を用いて,牛の筋肉,牛の脂肪,牛の肝臓,牛乳および鶏卵の5食品に対し,キンクロラックを残留基準値濃度および0.01 m/kg相当濃度で添加し,回収試験を行ったところ,真度85.6~93.5%,相対標準偏差1.7~6.8%の良好な結果が得られた.また,定量下限値として0.01 mg/kgを設定可能であった.これらの結果から,本法は畜産物中のキンクロラック分析法として有用と考えられた.

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© 2022 公益社団法人 日本食品衛生学会
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