食品衛生学雑誌
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PCB関連物質に関する研究 (第6報)
油症原因油中の Polychlorinated Quaterphenyl (PCQ) の定量とその生成機構について
宮田 秀明村上 保行樫本 隆
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1978 年 19 巻 5 号 p. 417-425_1

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抄録

Polychlorinated quaterphenyl (PCQ) の簡易分析法を確立し, 油症原因油中のPCQを定量した結果, 前報で報告した未知有機塩素化合物の72~89%はPCQであり, その濃度は490~866ppmであつた. この大量に存在するPCQ解明の一端として, 熱媒体使用済カネクロール400を分析したところ, すでに690~31,000ppmのPCQが生成していた. そこで, カネクロール400をガラスアンプルに密封後, 加熱した結果, PCQ生成にはある程度の高温が必要であり, 加熱温度を上げたり, 加熱期間を長くすることにより, PCQ生成は増加した. また, ステンレスの存在下や高圧下における加熱は, さらに, その生成を促し, 最高47,000ppmのPCQが生成することが明らかになった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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