食品衛生学雑誌
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果実飲料の微生物に関する研究 (第1報)
市販みかんおよびりんご果実飲料における微物の分布
小畠 満子倉田 浩駒形 和男
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1978 年 19 巻 5 号 p. 449-456_1

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抄録

ポリエチレン加工紙製容器に詰められた市販みかんおよびりんご果実飲料の生菌数と微生物の分布について調査した. 生菌数は, 製造後1週間以内の試料では101/ml以下であったが, 1~4週間経過した試料の約40%においては102~6/mlであった. 微生物群としては酵母が最も優勢であり, 次いで糸状菌, 細菌の順であった. みかん果実飲料の主要分離酵母は Rhodotoula (検出試料83.3接%), Cryptococcus (37.5%), Candida (33.3%) などの無胞子酵母であり, その他 Trichosporon (25.0%), Debaryomyces (12.5%) が認められ, 出現頻度は低かったが, Kloeckera, Pichia, Hansenula, Cephatoascus が分離された. 糸状菌では Aspergillus, Aureobasidium, Botrytis, Phoma, Mucor などが分離された.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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