1978 年 19 巻 5 号 p. 443-448_1
穀類中よりトリコテセン系マイコトキシンの同時定量法を検討した. メタノールを用いて抽出した試験溶液をアンバーライトXAD-2カラムおよびフロリジルカラムクロマトグラフィーによりクリーンァップを行った. さらに濃縮乾固後, シリル化誘導体としてガスクロマトグラフィーを行った. 6種類のトキシンを大麦, 小麦, 米およびトウモロコシに添加した回収率は68~101%であった. 共存物質の影響について妨害の有無を検討したが, Neosolaniol に近い保持時間を示す不明なピークが現れ定量値に妨害を与えた. なお本試験法での確認限度はT-2 toxinで 0.2ppm, Deoxynivalenol, Nivalenol, Fusarenon-X および Diacetoxyscirpenol で0.1ppmであった.