食品衛生学雑誌
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揚物調理油脂の劣化に伴う化学指標の変化について (その2)
井崎 やえ子吉川 俊一藤原 光雄
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1978 年 19 巻 5 号 p. 474-481_1

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抄録

揚物製造施設から経日的に採取した揚油を対象に, 石油ニーテル不溶性酸化脂肪酸含量 (ox. FA), カルボニル価 (CoV), 酸価 (AV) およびグリセライドダイマー分画の測定を行い, その結果から揚油の品質劣化の進行過程を検討した. 各指標の変化から劣化傾向を概観すると, 多少の上下を反復しながらも徐々に劣化が進行する場合と, 比較的短期間に劣化が平衡状態に達する場合の二つのパターンを認めた. また, ox, FAとCoVはほぼ並行して増減し, 両指標は高い相関を示したが, AVは単独で増加する場合もあり, 他の2指標との相関も低かった. 西ドイツ食品法の規制値, ox. FA 0.7%にはCoV50meq/kgが対応し, これを揚油劣化の一つの目安として用いうることを再確認した.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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