食品衛生学雑誌
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マウスの肝臓及び脂肪組織PCB異性体の残留性に及ぼすPCDFの影響
油症関連物質に関する研究 (第4報)
堀 伸二郎樫本 隆国田 信治
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1982 年 23 巻 2 号 p. 167-175_1

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抄録

油症原因物解質の生体影響究明の一環として, PCBをマウスに経口投与し, 肝臓及び脂肪組織におけるPCB異性体の残留量と生物学的半減期 (B. H. L.) を比較し, これらに対するPCDF同時投与の影響について検討した. 脂肪組織のB. H. L. はピーク47 (3, 4-2′, 3′, 4′, 5′, -HCB) の40.85日からピーク9 (2, 4-3′, 4′-TCB) の1.92日, 肝臓ではピーク29 (2, 4, 5-2′, 4′, 5′-HCB) の21.71日からピーク9の1.64日の間であった. また, 全般的に脂肪組織より肝臓の方がB. H. L. は短かかった. 両組織におけるピーク9, 25 (3, 4-2′, 4′, 5′-PCB), 28 (3, 4-2′, 3′, 4′-PCB) のB. H. L. はPCDFを投与することにより著明に減少し, PCB単独投与群の約1/2になった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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