自動フライヤーにてさつま揚をフライした菜種油による家兎赤血球の形態変化を調べた. アセトンに溶解した油0.5mgを0.85%塩化ナトリウム・リン酸緩衝液 (pH 7.4) 5mlに加えた後, 一定量の家兎赤血球を加え, 37°15分間反応後, 0.9%グルタールアルデヒドで赤血球を固定し, 位相差顕微鏡又は走査電子顕微鏡により形態を観察した. 新鮮油では赤血球は正常な円盤型を示すが, フライ油の経時的な劣化と共に内方陥没型の変形を示し, カップ状を経て, 膜の内方陥没が見られるようになり, 更に球状に近い形となった. 赤血球の変形を形態指数で表わし, フライ油の劣化の化学及び物理指標との相関性を比較したところ, 遊離脂肪酸, 酸価及び粘度とが有意な相関を示した.