食品衛生学雑誌
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メタ重亜硫酸カリウムのラットにおける胎仔毒性
食品添加物の胎仔毒性に関する研究 II
江馬 真伊丹 孝文加納 晴三郎
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1985 年 26 巻 5 号 p. 454-459_1

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抄録

メタ重亜硫酸カリウムの胎仔毒性をウイスターラットを用いて検討した. 妊娠7日から14日まで10, 1または0.1%のメタ重亜硫酸カリウムを含む飼料を与え, 妊娠20日に胎仔を検査し, また, 自然分娩させて得た仔の生後観察を行った. 10%投与群において, 妊娠ラットの摂餌量の低下, 母体重と胎仔体重増加の抑制がみられ, 仔の生後の生存率がやや低下した. 妊娠中の母体の栄養不良がこれらの原因の一つと考えられた. しかし, 胎仔の外表, 骨格及び内臓検査では催奇形性は示されず, 1及び0.1%投与群では妊娠末期胎仔及び仔の生後発育に対する影響は認められなかった. 以上の結果から, メタ重亜硫酸カリウムは本実験条件下においてはラットに対して催奇形性は示さないものと考えられた.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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