食品衛生学雑誌
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アルギン酸とその塩類のラットにおける代謝及び血清Na, K, Ca濃度に及ぼす影響
中村 優美子外海 泰秀長谷川 ゆかり伊藤 誉志男
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1988 年 29 巻 4 号 p. 240-248_1

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抄録
アルギン酸ナトリウム, アルギン酸カリウム, アルギン酸及びアルギン酸カルシウムの水溶液あるいは懸濁液90.4mg/kg (日本人のアルギン酸及びその塩類の1日摂取量の50倍量) をラットに経口投与した場合のアルギン酸の代謝及びNa, K, Caバランスに及ぼす影響を調べた. アルギン酸の糞中排泄量及び胃腸内含量の時間的変化については塩類の違いによる差は認められず, 1) 72.7~79.3%が3日以内に糞中へ排泄され, 2) 投与されたアルギン酸類は2時間後には胃に留まっていたが, 徐々に小腸 (4時間後), 大腸 (8時間後) に移行し, 24時間後には大部分が大腸に移行していた. また, いずれのアルギン酸類も血清Na, K, Caバランスに顕著な影響を及ぼさなかった.
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© 社団法人 日本食品衛生学会
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