食品衛生学雑誌
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間接吸光度検出イオンクロマトグラフィーによる食品中のフィチン酸の分析
松永 明信山本 敦水上 英一
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1988 年 29 巻 6 号 p. 408-412_1

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抄録

間接吸光度検出イオンクロマトグラフィーによる食品中のフィチン酸 (PA) の分析法を確立した. 分析カラムには Shim-pack IC-Al, 溶離液にはナフタレン-1, 3, 6-トリスルホン酸塩 (pH 5.5) を用い, PAの溶出を295nmで検出した. なお試料は0.6N塩酸で抽出し, 中和した後, 陰イオン交換樹脂カラム (AG1-X4) に負荷した. 0.2N塩化ナトリウム, 水で洗浄した後, 2N塩酸でPAを溶出させ, 減圧乾固して塩酸を除去した. これを水に溶解し, 0.45μmのフィルターでろ過して試験溶液を調製し, 測定に供した. 大豆, 押麦, 小麦粉にPAを添加して回収実験を行ったところ, 回収率は93.0~98.3%であり, また定量限界は0.05g/kgであった. 各種食品中のPA含有量を測定したところ, 米ぬかの値が特に高く, 72.4~87.0g/kgであった.

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© 社団法人 日本食品衛生学会
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