食品衛生学雑誌
Online ISSN : 1882-1006
Print ISSN : 0015-6426
ISSN-L : 0015-6426
ピラゾール誘導体のクロコウジカビに対する抗かび作用
化学構造と抗かび性に関研究 (第3報)
深田 剛毅小松 郁子鳥井 昭美都築 廣久田代 昌士
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 34 巻 3 号 p. 227-231_1

詳細
抄録

クロコウジカビに対するピラゾール誘導体21種の抗かび性とそれら化学構造との関連性を検討した. なお, 抗かび性は初期効力とその持続性で評価し, 比較化合物には4-クロロ-m-クレゾール (1) を用いた. その結果, ピラゾール骨格自体 (2), 及び3, 5-ジメチル体 (4) などの16種類のピラゾール誘導体には抗かび性は全く認められなかったが, 2種類のフェニル誘導体: 3-メチル-5-フェニル体 (11), 3, 5-ジメチル-4-フェニル体 (21) と3種類の含硫誘導体: 3-アミジノチオメチル-5-メチル体 (13), 3-メチル-5-ピラゾイルメチル-N, N-ジメチルジチオカルバメイト (14) 及び3, 5-ジメチル-4-α-チオフェニル体 (22) には抗かび作用が発現し, フェニル基と含硫基による置換効果が観察された. そこで, 化学構造と活性相関性についても議論した.

著者関連情報
© 社団法人 日本食品衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top